2012 International Congress on Natural Products Researchに出席しました。


   7月28日から8月1日までニューヨークで開催されたInternational Congress on Natural Products Researchに出席しました。
 この会議は、The American Society of Pharmacognocyとヨーロッパ各国の生薬系の学会が合同で4年に1回開催しているという大規模な学会です。
 この会議の存在をコロンビア大学中西香爾先生から教えていただき、また「ぜひ参加してみてください」とのお誘いを受け、思い切って参加しました。


    



1300人の参加者であったそうです。予想をはるかに超えた規模で驚きました。

          

会場はマンハッタンの真ん中、グランドハイアットホテルです。映画にもよく登場するグランドセントラル駅(写真手前)のとなりです。奥にクライスラービルが見えています。
国連ビルまでも歩いて数分のところですが、行きたいと思いつつ、いまだ行ったことがありません。


    

会場から有名なタイムズスクエアまでは歩いて10分くらいです。
お昼休みには十分の距離です。
ただ、気を付けないととにかくボラれます。
一度ここの屋台でお昼にホットドッグを食べたのですが。昔の記憶では3ドルしないはずのものがジュースを含めて11ドル。
やられたと思いました。
でも、それもニューヨーク。
 

    

オープニングレセプションはホテルのロビーで行われました。もともと乏しい英語力ですが、それもいきなりレセプション。冷や汗ものでした。
参加証にドリンク券が一枚付いていて、これを飲み干すと一杯10ドルのチケットを買わなければいけないので、ゆっくりと飲んだことが印象的です。
中西先生は、とてもお元気でした。写真は中西先生、Nina Berova先生、 スウェーデンの学会の代表のLars Bohlin先生夫妻、富山大学紺野先生です。普段ならその機会を探ることが困難な各国の先生方を紹介していただきました。英語が問題で100%理解したかは疑問が残りますが、先生方のお話を伺うことができたのもこの学会に参加した成果です。



      
    (パーティーの様子です。日本と違いカジュアルな服装です)

パーティーも終わるころ、中西先生は参加した日本人からサイン攻めにあっておられました。
中西先生はBohlin先生夫妻と食事に行くと言って、一度会場を離れましたが、しばらくして戻ってこられ、「英語のみでよかったら君たちも来なさい」とおっしゃってくださり、もちろん喜んでついていきました。


    

連れっていっていただいたのは、イーストサイド72丁目(高級住宅街です。)の「しゃぶしゃぶ」のお店です。お店の名前も「Shabushabu 72」。
手前左は徳島文理大学代田先生。先生には旅程を一緒にしていただきました。おかげで楽しい1週間となりました。
Bohlin先生の奥様から、美しい湖のほとりにあるご自宅の写真を見せていただきましたが、まさにカルチャーショックです。
ニューヨークの日本料理はとてもおいしいです。ここで出されたウニの天ぷらは生まれて初めての経験でした。

     

Bohlin先生は、もちろんプライマリーレクチャーとしてお話しなさいました。


     

この学会ですと、おそらく日本語で聞いても程度の差はあれ同じですが、生物に関する専門用語が理解できず、勉強不足を実感しました。
ヨーロッパ、アメリカでの生薬の奥深さも混じることができました。
アメリカの学会でいつも感じることは、とにかく寒い。エアコン効きすぎです。



           

J. Clardy先生。私の学生時代から有名な先生です。
先生はエックス線結晶解析の専門家だと思っていましたが、今回の発表は天然物化学のもので、またまた勉強不足を痛感しました。

    
     (Clardy先生のスライド。)


     

1300人もの参加者です。ほとんどはポスター発表でした。実は学会の様子も知らずに「口頭発表」で申し込んでいました。世間知らずにもほどがある知りました。
黙って立っていても、人は通り過ぎて行ってしまうので、「May I introduce our research?」といって無理やり捕まえて、、、、、でも多くの人に「Good job !」といっていただいたことはとてもうれしかったことです。
どうも、とっても偉い人にもやってしまったようで、、、(これは反省していません。よくぞやったと自分に言い聞かせています。)



     

ポスター会場は人でごった返していました。ポスターパネルの置き方は、まさにいい加減で、広いところがあれば狭いところも。。。日本では大騒ぎになるでしょうが、そこはアメリカ。みなぶつぶつ言いながら楽しそうにやっていました。
紺野先生と名刺交換をしているのはブラジルから参加のNakamura教授です。先生は、日本語はまったくだめだとのことでした。
この学会では、ブラジルからの参加者がとても多く感じました。
    

紺野先生のポスターの前で、Bohlin先生と記念写真を撮っていただきました。

     


     

この学会の主催者のお一人が植物園の方で、エキスカーションはブロンクス地区にあるニューヨーク植物園。
1300人もの学会、会場の隣のグランドセントラル駅から列車を一両借り切ってのツアーです。
したがって、時間になっても人の集合がままならずか、30分は出発が遅れました。
植物園では、サッカー場くらいのテントが張られ、そこで夕食が出されました。ホテルではワイン一杯が10ドルなのに対して、ここでは飲み放題。飲みすぎてしまった人もいたみたいです。




中西先生の手品は有名ですが、学会の公式イベントとして先生の手品ショーが入っていました。

            

先生もお歳になられて、手品に失敗するのではと心配していましたが、そんなことは決してありませんでした。
また会場ではほぼ一日中会場で発表をお聞きになっており、ポスター会場でも積極的に質問なさっておいででした。
先生の体力の回復には、感服しました。

     
先生の手品ショーの様子です。立ち見まで出ています。どの発表よりも会場を満席にしたのではないかと思います。
先生の手品は古くから有名ですが、予想に反し若い人が多く観に来ていました。




    

クロージングバンケットも開かれました。900人が出席とのこと、最初は立食と予想していましたが、なんと着席しての全員同時のフルコースです。
まさにカルチャ−ショックでした。
一番右は80年代後半に中西研で学生だったMin Leeさん。いまはNIHでオフィサーとして活躍されています。
その隣は、コロンビア大学現役の学生でJoshi。見張り役のようにぴったりと中西先生についていたのは印象的でした。
先生とJoshiの会話は、まさに掛け合い漫才で、面白かったです。
その隣は、オーストリアのVerena M. Dirsch教授。95年ころに中西研のポスドクをされていたと伺いました。


    

バンケットが終わり、全てのスケジュールも終了しました。明日は帰国。すでに10時を過ぎているというのに中西先生は、皆をバーにお誘いになりました。
先生の体力、我々以上ではないかと思うこともあります。恐れ入りました。



    

日本からの参加者を中心に、中西研の同窓会も開かれました。
ここはチャイニーズレストランですが、安くておいしいとして有名なお店とのことです。
コロンビア大学でマスを担当されている板垣さんも駆けつけてくれました。
若干季節外れのようですが、念願のソフトシェルクラブを食べました。
BYB(bring your bottle)なため、酒屋さんでワインを買って持ち込みました。









     

学会初日、留学時代に共同研究をしたコロンビア眼科のJanet Sparrow教授がホテルロビーまで訪ねてきてくれました。
この後、留学中の上田さんと合流し、喫茶店で1時間ほど網膜の異常色素について議論しました。
Sparrow教授には研究室の卒業生山本君がお世話になりました。



この学会の前後には留学時代の同僚の大学に押しかけていって、講演をさせていただきました。
(自分が演者なため写真はありません。)

   

上は、ミシガン州立大学へ行った時のものです。Borhan教授(右奥)、Haung教授(左手前)と夕食(インド料理)に行った時のものです。
偶然、広島大学の根平先生(右手前)もビジターリサーチャーとして前日にミシガンに入られ、一緒に食事をすることができたのは幸運でした。


   

帰国の便が夕方であったため、ニューヨーク市内イーストサイドにあるハンターカレッジのKawamura先生のところにも押しかけて、講演させていただきました。
Kawamura先生は、私の留学時代に中西研で学生でした。彼はわたくしよりも若いのですが、生活スタイル、研究に対する姿勢など、尊敬する研究者の一人です。
イーストサイドでアメリカンスタイルのレストランでお昼をたべました。





今回の旅行でのベストショットです。
ニューヨーク図書館の裏にあるブライアントパークの角からエンパイアステートビルを見たものです。
この2丁東へ行ったところが会場のハイアットホテルです。