5−チオグルコースをグリコシルドナーとした場合、βグリコシド(エクアトリアルに結合)を選択的に与える反応は報告されていませんでした。われわれは種々条件を検討した結果、チオグルコースの2位水酸基をベンゾイルエステルとし、反応促進剤に三フッ化ホウ素エーテル錯体を触媒量用いるとβ立体選択にグリコシル化が進行することを明らかにしました。この反応をもちい、硫黄置換ゲンチビオシドの合成に成功しました。
Ohara, K., Matsuda, H., Hashimoto, M., Miyairi, K. & Okuno, T.
β-Selective Glycosylation of 5-Thioglucopyranose Derivatives: Synthesis of
β-(1-6)Linked 5'-Thioglucopyranosyl Disaccharides. Chemistry Lett.,
2002, 626-627 (2002).