MMFFはファンデルワールス力を過剰に評価する?
非極性側鎖をもつ環状デプシペプチド、アルタナリオリドの配座解析を行ったときのことである。配座解析を行って得られた再安定配座は、下に示したようなベンゼン環が蓋をしたような配座であった。納得しがたい形である。
真空中一分子という仮定がおかしいのか? それとも分子計算ではエントロピーを考慮できないためか? 非常に悩ましい結果であった。
このような結果は側鎖を持った分子では頻繁に見られた。
これは根拠の無い想像ではあるが、MMFFではファンデルワールス相互作用(FDW 1,4-others)を過剰評価するためではないかと考えている。
もしかしたらMM2もそうかもしれない。思い当たる節がある。トリテルペンエーテル テウリレンの配座においてMM2計算で側鎖が並んだfolded conformationが安定と考察したが、(J. Org, Chem, 1991, 2299)、もしかしてMM2もそうなのか?私の報告はウソになのか?この場合、X線解析と配座が似ているのでよしとするべきか?