分子モデリングの基礎の基礎


            


 
化学、特に有機化学を勉強する人たちは、なぜか「数式」に弱い人種です。そう思うのは私一人でしょうか?
一方、in silico実験とかいって、コンピュータ上で表した分子で物性を議論することも多くなってきました。
数式やコンピュータを理解できなければ分子モデリングをやる資格が無いのかといえば、そうでは無いはずです。エンジンの仕組みが判らなくてもクルマを運転できるように、使えるところは使って差し支えないと思います。逆も真なりのはずです、プログラミングの専門家で有機化学まで精通している人はわずかで、実験化学をする人が使わなければ、プログラムも改良のしようがないはずです。勿論、計算結果の考察には有機化学的考察が必須で、プログラムの専門家に全てを頼ることもできません.
だからと言って、中身が判らなくてよいかというとそうではないはずです。プログラムの持つ応用範囲の幅というものを見誤っては、大変なことになります。しかし、数式な苦手な化学屋さんに判りやすい簡単な解説書って不在です。
分子モデリングについて書かれた良書は多数あります。たとえば「初心者のための分子モデリング(地人書館)」は易しく表現するよう書かれています(そのはずです。)。それでも数式が基本で書かれていて、数学の判らない私にとっては苦痛としか言いようがありません。


私のような素人が分子モデリング計算を行うに当たり必要な点を集めてみました

以下は、学部講義「コンピュータ分子設計学」の資料をまとめたものが中心です。この講義では分子モデリングを分子の形を考える一つの手段ととらえており、分子の形に関する「化学」が大部分です。
講義ではSpartan Essentialを用いていますが、以下の実際の操作ではSpartanの使用を前提にしております。最新バージョンのオペレーションについて自身の練習と、今回新しく作り直すということを機に、図などはSpartan10のものを用いています。(実際には判らないところだらけで、Wavefunction Japanの内田典孝氏に教わりながらです。)


                       

 

 

立体化学の復習
1. 立体化学の復習
2. 化学反応において立体化学は重要
3. 分子構造を議論するために必要な用語 (結合長、結合角、二面角)
4. ねじれ配座と重なり配座
5. ゴーシュ配座、アンチ配座
6. IUPAC法における配座の命名
7. エタンの立体配座とエネルギー
8・ プロパンの立体配座とエネルギー
9. ブタンのC2-C3結合に関する立体配座とエネルギー
10. エネルギーの単位について
11. 回転異性体
12. 化学平衡と存在率
13. シクロヘキサンの立体配座
  
分子計算とは 
14. 計算機の必要性
15. パソコンの発達
16. 分子計算が行うこと
17. 構造最適化
18. CUIとGU
19. 安定配座(Local Minimum)と最安定配座(Global Minimum)
20. 分子動力学法(最安定配座の求め方1)
21. 配座発生法(最安定配座の求め方2)
22. 遷移状態の計算
23. 化学シフトを計算する
24. ボルツマン分布を求める
  
分子構造計算の手法
A 分子力学法
B 分子軌道法
ab initio 分子軌道計算
Harteree Fock法
Moller ?Plesset 法、密度汎関数法(Density Function, DFT)法
Advanced Correlated法 (高次の電子相関)法
基底関数
計算のコスト
半経験的分子軌道法
MOPAC
計算できることrotation butane.html へのリンク
Spartanシリーズについて
Spartan10の使い方
画面とアイコン
モデルの回転・移動
計算の設定実行
グラフィックの設定
アクティブな分子の変更
Spreadsheetの利用
Plotの利用(ブタンの配座ーポテンシャルエネルギー図の作成)